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第9話 怒る人

Penulis: みだん
last update Tanggal publikasi: 2026-09-17 03:35:09

火曜日は、新太くんでした。

「どこか行きたいところあるか」

朝いちばんにそう聞かれて、私は駅前の書店と答えました。

祖母に頼まれた本を取りに行く用事があったからです。

「じゃあ行くぞ」

それだけで話は終わりました。幸也くんと正反対です。

電車の中でも、新太くんはほとんど喋りませんでした。

喋らないのに、私が立とうとすると先に立ち、扉が開くと先に降ります。

そして必ず、私が降りきるまで待っています。

気を遣っているというより、体が勝手にそう動いているように見えました。

電車で二駅の大きな駅まで出て、本を受け取って、それで用事は済みました。まだ昼前でした。

「終わったな」

「終わりました」

「……帰るか」

新太くんは間の持たせ方を知らないのです。

私も人のことは言えません。

二人で黙って駅のほうに歩きました。

沈黙が続くと、新太くんはだんだんそわそわしてきます。

和樹くんの沈黙とも、久遠くんの沈黙とも違います。

この人は、黙っているのが下手なのです。

声をかけられたのは、駅前のロータリーでした。

    ◇

制服ではない、けれど高校生らしい三人組でした。

どこの学校かも分かりません。

「
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